今ではサミー・ソーサのおかげで日本でも有名になった、メイジャー・リーグ・ベースボールのシカゴ・カブスの本拠地。1914年に建てられたこの球場は、メイジャー・リーグの中では、ボストンのフェンウェイ・パークに次ぐ2番目に古い球場。そのフェンウェイ・パークも2003年までには新しい球場にとって替わることが決まっており、近いうちに全米一古い球場になるこの球場は、外野のフェンスにはレンガを使い、そこに蔦がからまったりして、最新のドーム球場に比べるとほこりの臭いがしてきそうな雰囲気があるが、ベースボールが昔からのナショナル・パスタイムであるここアメリカではこの球場自体が誇りであるようだ。スコアボードはいまだに手動であり、また球場内に広告が全くないこの球場は38,957人しか収容できないが、それでもカブスのオーナーであるトリビューン社(シカゴ・トリビューンという新聞を出版している)はこの球場を維持するのに力を注いでおり、新しいハイテク球場を建築する予定はないようだ。
1998年のシーズンに、久しぶりにプレーオフ出場を果たしたり、サミー・ソーサがMVPを獲得したりマーク・マクガイアーと歴史的なホームラン王争いをしたおかげで、また全米の注目を集めるようになってきたが、成績が不振でも、いつもなぜか観客が入っており、チケット入手は難しいという状況であるらしい。強くないのに人気のある日本のプロ野球の阪神タイガースやJリーグの浦和レッズのようでもある。まぁ、それほどファンに愛される球団、もしくは球場(球場を見る目的で来る人もたくさんいるらしい)なのであろう。
つい最近の1988年まで照明灯がなく、デーゲームしか行われなかったという曰く付きの球場でもあり、今でも夏は特に平日のデーゲームがよく行われている。外野席(Bleachers)はすごく狭く、値段的にも割安ということもあって、若者でごった返している。外野席部分が狭いため、また球場自体も他の球場に比べると小さ目のため、場外ホームランがよく出る。そのため、特にレフト側の場外の通り(Waveland
Ave.)にはグラブを持った人々が並んでいることはしばしばで、彼らは右打者であるソーサのホームラン・ボールを待っている人達なのである。
ハリー・ケリー(Harry Carry)
最近、亡くなった有名なアナウンサー。大きな黒縁のメガネが彼の象徴で、7回裏のカブスの攻撃の前にいつも"Take
Me Out To The Ballgame"を歌っていたようだ。現在は、彼の代わりに毎回有名なゲストが呼ばれて、この曲を歌っている。ちなみに、歌詞の途中に、"Home
team"という言葉が出てくるが、ここは"Cubbies"(カブスの愛称)と歌うのが慣例となっている。彼がいかに愛されていたかというのは、99年のシーズン前にこのリグリー・フィールドの前に建てられた彼の銅像と、ダウンタウンにあるレストランを見れば分かるであろう。
North Side vs. South Side
シカゴには、ナショナル・リーグのセントラル・ディヴィジョンに所属するカブスと、アメリカン・リーグのセントラル・ディヴィジョンに所属するホワイトソックスの2チームがあり、双方とも歴史の持ったチームであるが、かたやカブスがシカゴの北側にあるのに対し、ホワイトソックスの球場であるコミスキー・パークはシカゴの南側にある。このため、よくNorth
Side、South Sideという言葉がそれぞれのチームに対して使用される。つい2、3年前に始まった、ナショナル・リーグとアメリカン・リーグのチームの交流試合(といってもこれらも公式戦の1つに数えられている)では、1年に1回か2回、クロス・タウン・クラシックと呼ばれる、カブスとホワイトソックスの試合が行われ、シカゴ中のベースボール・ファンの注目を集める。どちらのチームにも昔からの長年のファンが多くいるが、自分が北側に住んで北の郊外で仕事をしているからか、どちらかというとカブス・ファンのほうが多いような気がするのは気のせいであろうか。

1塁側アッパー・デッキから見たフィールド(ちなみに投手は当時ミルウォーキーの野茂)
シカゴのダウンタウンからは、"L"のRed Lineに乗って約20分くらいのところにあるAddison駅で降りると目の前にある。駐車場の関係から車で行くのはお勧めできない。
住所 : 1060 W. Addison St., Chicago IL
電話番号 : (773) 404-2827
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