アメリカのThanksgivingの祝日を利用して、7泊8日の日程でドイツ東部を訪問した。フライトはシカゴからロンドン経由(空港近くで1泊)でベルリンへ到着。ベルリンからレンタカーでマイセン、ドレスデンと移動するという日程であった。ドイツへは自分は昨年の夏に西側のケルンに日帰り(ブリュッセルから)したことがあったが、妻は初めて。
11/18/2000 (Sat.)
シカゴを朝9時に出発する飛行機でロンドンにその日の夜遅くに到着。到着後、ヒースロー空港の近くに予約してあったホテルで1泊。この日は単なる移動日になってしまった。
11/19/2000 (Sun.)
ロンドン発ベルリン行きの飛行機は朝7時発であったため、またまた早起きしてベルリンへ移動。ベルリンの空港でレンタカーを借りて、ベルリン市内へ。ベルリン市内を車でぐるぐると目的もなく走り回るが、中心地はとても都会的で新しい建物がたくさん建っているが、ちょっと中心を離れると、社会主義国家であったことが感じられるように、質素な団地のような建物がたくさん並んで建っていた。この日はその後ホテルにチェックインして、街をふらふらして終わってしまった。まぁ、日曜日であったからどこのお店も休みであったし、特に美術館とか博物館とかを見に行く予定もなかったことであったし。それにしても、冬のヨーロッパは日が暮れるのが早いなぁ。午後4時過ぎにはもう日が暮れてくるものであるから。
11/20/2000 (Mon.)
月曜日になると、一転して街は活気を取り戻し、市内では渋滞も見られた。朝食をホテルの目の前のおしゃれなカフェ(Deli 31という名前で自分の好きなサンドウィッチを作ってくれる)で取る。このカフェには英語をちょっと喋ってくれるアジア系のお兄さんがいて、ドイツ語でしか書かれていないメニューを解説してくれて非常に助かった。オニオンとかベーコンとかをドイツ語で何と言うかも教えてくれたし。ここには実は前日のランチにも来ていたのであった。
その後、マイセン磁器のショップで頼まれていたプレートを購入。ちょっとした買い物を済ませた後、一路今回のメインの目的地であるマイセン(Meißen)へ。ベルリン市内を車で抜け出すのにちょっと時間がかかったが、その後はアウトバーン(高速道路)を飛ばして、ベルリンの南に位置する小さな町マイセンまで約2時間ほどで到着。
マイセンでのホテルは町の中心の広場に面していて、一度このような、町の広場に面したホテルに泊まってみたかったので、小さな夢がかなった気分。このホテルは驚くほど値段が安く、しかも部屋の中が広くて快適。ついでに宿泊料金にはビュッフェ形式のちゃんとした朝食が含まれていたりする。でも、受付の感じの良いお姉さんは英語が喋れなかったけど。それも、ドイツの東部の小さな町では当たり前なのかもしれないが。
夕食はホテルの近くにあるチャイニーズ・レストランへ。ドイツに来てまで中華を食べるなんて、と思われるかもしれないが、これが意外にグッド。特にスープはとてもおいしかった。
11/21/2000 (Tue.)
この日は、この旅行のメイン・イヴェントである、マイセン磁器の工房と博物館見学の日。妻は絵付けという、陶器に絵を描くことを習っていて、超エキサイト。それでここを訪れることになったのだが。
マイセン磁器の工房と博物館は町の外れにあり、工房見学もできる(ドイツ語の分からない我々は英語のテープを聞きながら解説を聞いた)。実際に陶器を作っていたりペイントしていたりするところは見れないが、見学者用に準備された部屋で、実際と同じようにろくろで陶器を作ったり、花を陶器に描いたりするところを見せてくれる。一通りの説明が終わると、見学者からの質問を受け付けていたが、どうやら英語があまりできないらしく、聞きたいことが聞けないという状態で工房をあとにした。
博物館の部分はマイセンの約300年に渡る歴史の間に作成された陶器がたくさん展示されていた。また、工房、博物館と同時に直営のショップもあり、様々な種類のマイセン磁器が販売されていた(ここのショップには英語を話す人が何人かいた)。やはり、世界に名が知れている陶器だけあって、博物館とショップでその魅力を十分堪能することができた(コーヒー・カップ&ソーサーを購入もしたし)。
夜は、「地球の歩き方」に「予約が必要なくらい混んでいる」と書いてあったドイツ料理のレストランへ。確かに人は入っていたが、オフシーズンだからか予約無しでも座ることができた。食べた魚料理もなかなかのものであった。
11/22/2000 (Wed.)
この日はマイセン磁器の直営ショップにちょっとだけ寄って、それから最後の滞在先であるドレスデンへ車で移動。エルベ川という昔の重要な交通網であった川沿いの道を走りながら、約1時間弱でドレスデンに到着。
ドレスデンはこの地域の大都市のようで、人もたくさん住んでいるようであるし、観光地でもあるようで、観光客らしき人々を街でたくさん見かけた。このドレスデンとマイセンのあるザクセン州は元の東ドイツに所属していた地域で、全体的に質素な雰囲気が感じられたりした。ザクセン州はドイツの東端に位置し、隣はチェコと接している。この州の有名な輸出品がマイセンやドレスデンで作られている磁器であるらしい。
ドレスデンに着いたこの日もザクセン州の祝日であったようで、街中のお店はほとんどが閉まっていた。ホテルは街の中心を流れるエルベ川に面したところにある、アメリカの大手系のホテルであるが、これまた経済的なプライスだが、大きくてきれいで素晴らしいホテルであった。エルベ川の北側に建っているホテルのすぐ北には新市街と呼ばれるエリアがあり、こぎれいなレストランやショップがたくさんあって、非常に便利であった。またエルベ川の南側は旧市街で、美術館や宮殿などの観光スポットがたくさんあるエリアであった。
この日は、街をふらふらした後、Gemäldegalarie Alte Meisterという美術館でラファェルやルーベンスといった画家の絵を見て、ホテル近くのイタリアン・レストランで夕食を取った。
11/23/2000 (Wed.)
当初、この日は電車に乗ってドレスデンから約3時間の距離にある、チェコのプラハまで日帰り旅行をする予定であったが、予定を変更して、「ザクセンのスイス」と呼ばれる自然が多く残っている、チェコ寄りの地方に行くことにする。最初に行ったのは、ドレスデンから車で約1時間くらい東にある、Basteiという場所。ここには岩でできた山のような自然がそのまま残されており、観光名所になっているようである。ここはエルベ川沿いの高台に位置し、そこに橋(Basteibrücke、写真を参考)がかかっていて、多くの観光客が訪れていた。
2つ目に行ったところは、Festung Königstein(ケーニッヒシュタイン要塞)という中世に建てられた要塞。ここは16世紀にそれまで城であったものを要塞に改築され、その後は牢獄としても使用されたもので、頂上の高さは海抜300mを超えるという非常に高いものであり、エレヴェーター頂上まで登ると周辺の景色を見渡すことができる。ここに着いたのが午後3時過ぎで、もう辺りが暗くなりはじめていたことからあまり景色は良いものではなかったが、天気の良い日の昼間にここに登ったらさぞ良い眺めが楽しめるであろう。
11/24/2000 (Fri.)
ドイツを離れる前日のこの日は、ドレスデン郊外、車で約30分のところにあるFreitalという町に"ドレスデン"という陶器のブランド(正式にはSächsische Porzellan Manufaktur Dresdenと呼ばれる)の工場を見学に行く。マイセン磁器の見学の時は、あまり質問をしたりする機会がなかったが、このドレスデンでは英語のガイド・ツアーを提供してくれ、しかも我々2人しか参加者がいなかったため、ガイドの人を独占状態で、いろいろな質問をすることができた。
ここでは内部の工場、実際に作業をしているところを1つ1つ解説付きで見せてくれて、実際に陶器に絵を描いているところも見学することができた(日本人の見習いの人がいたりもして驚いたが)。ここではマイセン磁器のように博物館のような場所はなかったが、ショップは当然あった。また、マイセン磁器もこの"ドレスデン"もどちらとも陶器に絵を描くレッスン(3日間とか5日間)を用意しているようで、本格的に絵付けをやっている人には魅力的なものであろう。
夜はホテルの近くのプラハ料理のレストランに行く。プラハ料理もしくはチェコ料理らしかったが、ドイツ料理と変らない感じであって、結構おいしかった。
11/25/2000 (Sat.)
ドイツ東部旅行最終日、とは言っても、ドレスデンからベルリン、ロンドン経由でシカゴに戻るだけの日。朝7時半にドレスデンを車で出発し、シカゴ時間の同日の夜7時半(ドイツ時間の翌日の夜中の12時半)にアパートに帰宅するという超強行軍であった。
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