Women's World
Cup (7/1/1999更新)
6月19日から3週間に渡ってアメリカ各地で行われている、第3回Women's
World Cup。シカゴのSoldier Fieldでは予選リーグの4試合が行われ、スタジアムで観戦する機会があった。
やはり、ワールドカップはワールドカップで、アメリカの試合が行われた日は65,080人の観客を集めてソールドアウト、日本の試合が行われた日(アメリカの試合がなかった日)でも34,256人と、盛り上がりを見せていた。女子のワールドカップ・サッカーということもあって、女の子の観客の姿を見ることが多かったのが印象的であったが、やはりアメリカの試合(対ナイジェリア)は言葉では表わせないくらいの素晴らしい独特の雰囲気があって、これがワールドカップなのかという気分にさせてくれた。アメリカのホームゲームであるから当然ではあるが、アメリカ代表が試合前のウォームアップに出てきただけでスタンディング・オベーション、試合中はスーパースターのミア・ハム(Mia
Hamm)がボールを持つようなら、もうすごい歓声があがるといった具合。1994年の男子のアメリカW杯でおなじみの「U-S-A!
U-S-A!」コールも出て、ワールドカップのホスト国の試合を堪能することが出来た。試合のほうも7−1とナイジェリアを圧倒するという余裕の感じられる試合だった。
その他の試合をテレビで観戦していて気づくのは、アメリカ、ノルウェー、中国という優勝候補は、ミスの少ない確実なサッカーを展開しているのに対して、ブラジルやナイジェリアなどは個人技重視の試合をしていて見ているものを楽しませてくれる。我が日本は、というと、中盤の早いパス回しは世界でもトップクラスだと思うが、DFの連係ミスやペナルティ・エリア付近でのFWの踏ん張りや個人技といったところが世界にかなり後れを取っているように感じられた。その結果が1分2敗の予選リーグ敗退なのであろう。特に個人のキープ力、突破力がないと世界レベルではどうにもならないような気もした。
インターネットの公式ホームページ経由で購入したのはカテゴリーTという一番良いクラスのシート。両日ともダブルヘッダーで、2試合見れて$40(約4,800円
- $1=120円換算)とまずまずの金額で、シートもフィールドには近くなかったが、ペナルティ・エリアを目の前にしたバックスタンド側で、非常に見やすい席であった。オフィシャル・グッズ売り場はいつ行っても混み合っていて、オフィシャルTシャツを着ている観客がたくさんいたのも、ちょっと驚きだった。というのもアメリカ人はそういうものには興味がないと勝手に思い込んでいたからなのだが。観客と言えば、ミア・ハムの名前と背番号9が着いたアメリカ代表のジャージーを着た女の子がたくさんいたのも印象的で、ここでもミアの人気が確認できた。
ワールドカップとあって、全体的にハイレベルな試合が行われており、観客動員も好調のようで、個人的にはこのワールドカップの成功によって、現在計画されているアメリカの女子プロリーグが1日でも早く設立されると良いと思う。
メキシコ対アルゼンチン
(7/1/1999更新)
6月9日水曜日、シカゴのSoldier Fieldで、メキシコ
vs. アルゼンチンの親善試合を観た。メキシコにとっては7月下旬から母国で行われるConfederations Cupの、アルゼンチンにとっては6月下旬からパラグアイで行われるCopa Americaの、準備を兼ねた親善国際試合だったが、両チームとも欧州のリーグで活躍する選手を含めて、ほぼベストメンバーを揃え、ファウルの多い、激しい試合となった。イエローカードがたくさん出され、アルゼンチンは前半終了間際にレッドカードで、1人を失い、後半は10人で戦う羽目になった。
試合結果は勝手な予想どうり、2−2の引き分けであったが、激しく、観ていて面白い試合だった。メキシコは前半から中盤を制し、数多くのチャンスを作っていたが、決定力が多少欠けていて、少ないチャンスを確実にものにしたアルゼンチンがリードしていたが、結局、最後にラッキーなチャンスでメキシコが追いつき、引き分けとなった。でも、両チームとも親善試合にもかかわらず、激しい闘志あふれるプレーを見せてくれたことは観客にとっては良かったと思う。
この試合は、海外で観た、日本代表に関係のない国際試合として、自分にとって初めてのものであった。なによりも印象に残ったのはそのことなので、それについて感想を述べようと思う。
まず、シカゴで行われたにもかかわらず、というかそれが理由でか、64,000人の観客(ちなみにこれはシカゴでのサッカー試合での記録だそうだ)のうち9割以上はメキシコ系の人達だった。シカゴにはメキシコ系の人口が多いのです。場内放送も入場者数をアナウンスした以外はすべて、スペイン語。周りから聞こえてくるのは、スペイン語のみ。普段、見に行くMLSのChicago
Fireの試合では、通常、20,000人くらい、多い時で、35,000人くらいだったので、Soldier
Fieldにこんなに観客が入ったのは始めて見たが、それにメキシコの雰囲気が加わって、今まで体験したことのない雰囲気だった。もちろん楽しめたが。ちなみに、この試合は会社の友人達と見に行ったのだが、その中にメキシコ人が一人いて、彼女に言わせると、まるでメキシコ・シティーで試合を見ているようだったと言う。ブーイング、応援、などがすべてスペイン語で行われていたため、いちいち彼女にその意味を聞いていたが、「メヒコ、メヒコ」という掛け声や、英語で言うと、「You
Can Do It」という意味のスペイン語の掛け声が、そこら中から自然に発生していたのが印象的だった。
そんなわけで、これは完全にメキシコのホームゲームと化していたわけだが、今度は日本代表以外の、本当のホームゲームをその国で見てみたいと思うようになった。もちろん、自分の応援できる好きな国(イタリアとかイングランド)の試合がいいが、この2つの国で国際試合を見るのはなかなか難しそうだ。まぁ、いつか機会があったら、ということにしておこう。
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